すべてはWhatsAppで起こる。そして、すべてはそこで消えていく
ある顧客からWhatsAppでメッセージが届く。届いた商品に不具合があるというクレームだ。スタッフは対応し、交換を約束する。1週間が過ぎる。顧客から再度、「交換はどうなっているのか」と問い合わせがある。スタッフは覚えていない。そのメッセージは他の何百ものメッセージの中に埋もれてしまっているのだ。
では、これを3人のスタッフがそれぞれ自分のスマホからWhatsAppで対応している状況で想像してみてほしい。何が未対応で、何が処理済みで、何が見落とされているかを一元管理できる場所などない。
これはカスタマーサービスとは呼べない。誰も全体像を把握できないまま、会話だけが積み重なっている状態だ。
なぜWhatsAppだけでは不十分なのか
WhatsAppは素晴らしいコミュニケーションツールだ。迅速で、顧客にも好まれており、誰もが使いこなせる。しかし、管理ツールではない。
WhatsAppには、問い合わせを「オープン」「クローズ」とマークする方法がない。今週どれだけの問い合わせがあったかを知る方法もなく、一つひとつを処理するのにどれくらい時間がかかったかも分からない。管理者がすべてのチャットを一人ずつチェックしなければ、すべての問い合わせが適切に処理されたかを確認する術もないのだ。
ビジネスが小さく、すべての問い合わせにオーナー自身が対応しているうちはこれでいい。しかし、チームがいたり、問い合わせ数が増え始めたりすると、WhatsAppだけでは限界がある。物事は必ずこぼれ落ちていく。
WhatsAppを管理システムに連携させると何が起きるか
アイデアは単純だ。WhatsAppに入ってきたメッセージを、MondayやTrelloのような管理システムの「チケット」に自動変換する。誰かが手動で開いて入力する必要さえない。
私はすでにこの方法でチームを運営しているいくつかの企業と仕事をしてきた。カスタマーサービスのスタッフが問い合わせを受け、対応した後、特定のフォーマットでメッセージを送信する。例えば、「顧客名」「問題の種類」「対応内容」「今後のフォローアップの要否」といったものだ。このメッセージが自動的に特定のボード上に、整理されたフォーマットで、すべての詳細を含んだカードを作成する。
これによって何が得られるのか?
管理者がすべてを一元管理できる。何件が未対応で、何件が完了し、何件が保留中か。一人ひとりのスタッフに「状況はどう?」と聞く必要も、チャットを見返す必要もない。
何一つ取りこぼさない。すべての問い合わせがカード化される。オープンなカードは、誰かがクローズするまでオープンなままだ。忘れることは不可能だ。
記録が残る。誰がいつ対応し、何をしたか。1ヶ月後に顧客から再連絡があっても、その瞬間に何があったかを確認できる。
日々の運用イメージ
ある平日の朝。管理者がMondayのボードを開くと、昨日からの新規問い合わせが4件、交換待ちが2件、完了済みが1件と表示されている。誰に聞くこともなく、状況を正確に把握できている。
スタッフが問い合わせに対応し、決められたフォーマットで送信すれば、カードは更新される。更新を忘れていれば、カードはオープンのままなので一目瞭然だ。
週末。管理者はボードを見て、問い合わせ総数、平均処理時間、そして繰り返し発生している問題を確認する。これらは、連携前には存在しなかった「データ」だ。
MondayやTrelloである必要はない
すでにMondayやTrelloを使っているなら、それに連携すればいい。もし管理システムを何も使っていないなら、まずはシンプルなGoogleスプレッドシートから始めることもできる。「日付」「顧客名」「問い合わせの種類」「ステータス」の列を作った表だ。これだけでも、何もしないより10倍はましだ。
原則は同じだ。すべての問い合わせを、一元管理された場所で、明確なステータスを持つ行やカードに変換すること。
もし課題がフォローアップだけでなく、リード管理や新しい問い合わせの消失にあると感じるなら、「リード管理と問い合わせを逃さない方法」についてのブログも読んでみてほしい。
システムが不要なケース
あなたが一人で働き、すべての問い合わせに自分自身で対応しており、1日の件数も数件程度であれば、おそらくチケット管理システムは必要ないだろう。すべての顧客を名前で把握し、何も忘れることはないはずだ。
しかし、メンバーが一人加わった時、1日の問い合わせが10件を超えた時、あるいは顧客から「以前もそちらの誰かと話したんだけど」と言われるようになった時。それが、システムが必要だというサインだ。
WhatsAppはなくならない。だが、情報をそこに留めてはいけない
WhatsAppの使用をやめろと言っているわけではない。顧客はそこにいるし、便利だし、機能する。だが、その会話から生まれる情報は、追跡し、管理し、そこからインサイトを得られる場所に流さなければならない。
WhatsAppは「会話」のために。管理システムは「制御(管理)」のために。
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